Dプラス スタッフblog

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クリスマス♪と家族

   

メリークリスマス!

本日のブログはアシスタントAが担当させて頂きます。

さて、今朝はサンタさんが訪れたお宅では子供たちの嬉しい声があちこちで溢れていたことでしょう。 師走はともかく普段も忙しいサンタさんは、プレゼントの調達に「何が欲しいのかな?」と悩んだ方もいらっしゃるでしょう。家族そろってのクリスマスやお正月イベントは、日々の忙しさから一時の安らぎと解放をもたらせてくれる貴重な時期ですね。

この時期になると、とある高齢者を思い出すことがあります。

昔、私が老健施設と在宅介護関係で仕事をしていた時のことです。老健施設利用者さんというと、本来は急性期病院から自宅へ帰るための通過施設で、自宅へ帰るための訓練や準備施設として位置づけられています。しかし、実際は殆どの方が介護困難で自宅に戻れず、特養(特別養護老人ホーム)の入所待機をする場所となっているようです。

私が担当したある男性高齢者は、脳梗塞で倒れて麻痺が残り老健で生活リハビリをしていました。一人暮らしだったので半年以上も倒れた日のままの自宅が気になっていたようで、ある時一緒に見に行ってみました。男性高齢者の独り暮らしは奇麗なイメージはありませんでしたが、まあ思っていた通りの惨状でした。 その方は「戻った時の為に綺麗にしたいな」と言っていたので驚きました。また一人の時に倒れる恐怖や麻痺の残る身体で生活する大変さを考えると、てっきり他の高齢者と同じように施設生活を続けるのだろうと思っていたからです。

施設では、季節イベントをみんなで楽しんで賑わっているので、時々家族が面会に来てくれれば寂しくないだろうと思っていました。今は遠く離れた息子さんとは同居は難しいらしく寂しかったとは思いますが「自分は自分で出来る限りのことはしたい。いずれは息子の世話になるのだから」と在宅復帰の意欲を見せていました。息子さんに迷惑をかけたくなかったようです。

私も初めてのケースだったので、かなり不安でしたがお手伝いしたいと思い準備を始めました。冷蔵庫の中身を全部捨てたり、ヘルパーさんと買い物ついでに散歩できるルートを確認したり、本や雑誌、埃まみれの部屋を掃除したりと。手すり設置や階段対策、本当にやることが沢山ありましたが、高齢者の立場に立って行動してみると意外とたくさん障害物があることが分かりました。彼も泣きごとも言わずに必死にリハビリを頑張っていました。

在宅復帰にはいろいろな条件がありますが、住居などの環境整備、訪問診療や生活介助、リハビリやデイケアなどのケアプラン、そして、やはり大事なのは本人の覚悟といつも側で心配して支えてくれる家族。

私や訪問の先生・看護師さんなどが頑張っても、一緒に生活は出来ませんし家族にはなれません。でもそれを乗り越えて成し遂げたことは本当に凄いと思います。

無事に在宅復帰できた日にはホッとしたような様子でしたが、私や施設職員が帰るときに見せた何とも言えない寂しそうな顔を今でも覚えています。その選択は間違っていたのか、また倒れたらどうしようか、と私も不安が残っていました。クリスマスもお正月も一人で過ごすのは寂しいだろうと思いました。

その後は定期的に訪問して様子を見ていましたが私が転勤になり、それ以降はお会いしていません。

彼は今、息子さんと一緒に元気に幸せに暮らしているでしょうか。

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アシスタントA

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