一言聞いて頂ければ、、、
2017/03/22
先週中頃、最寄駅から自宅に帰る途中、義父にばったり出会いまして、途中までの
道のりが同じなので、談笑しながら歩いていました。義父は駅前商店街の組合会長を
長年務めており、携帯屋さんやラーメン屋さん、又は立ち飲み屋さんや焼き鳥屋さん
等がテナントで入る際に挨拶に来るそうで、どこそこの誰々は商売がうまいとか、
誰々は人はいいけど愛想が悪くて損してる、とか普通は聞けない情報が入ってきます。
話しは飛んで、昨年夏ごろ、この駅前商店街に「おにぎり屋さん」がお店を出したの
です。大通りに面していて結構人目に付くいい場所です。しかし、おにぎりでこの駅
前に勝負するとは、なんと大胆な、というか無謀な、というか、そう感じていました。
実際に、朝早くからチラシを撒いたり夜遅くまでお店を開けていたりしていても、
お客が入っている様子もなく、本当に厳しいのだろうな、、、、何時までお店が持つ
のだろう、、、、と心配していました。
駅前は、賃料が高いので、不動産屋さんやオーナーは儲かるでしょうが、出店のテナ
ントは年中変わっています。100均、街おか、ラーメン屋さん、スパゲティー屋さん、
カレー屋さん、串焼き屋さん、携帯ショップ、コンビニ、立ち飲み屋さん。テナント
として入る前に、どの程度このエリアの特徴や客層、そして以前のお店の情報を得て
るのだろうか？本当に勝算を持って、出店の決断をしたのだろうか？？と思ってし
まいます。
そうそう、
その、おにぎり屋さんですが、ここ1～2週間程お店を解体している様子でしたので、
あ、、、遂に閉めることになったのか、お客さん入っているところ見た事も無かった
しな、と思って歩きながら義父に尋ねたところ「あれはね、改装してリニューアル
オープンするんだよ、おにぎりに賭ける思いが強いんだよね、若くてやる気のある
社長なんだけれどね、、、」と言ったあと、こう付け加えました、
「一言、聞いてくれたらいいんだけどね、、、、」
「聞いてくれたら、このエリアのことや他店のことを伝えられるんだけどね、、、」
「一生懸命の人に、聞かれないのに言えないよね、、、、」
ええっ！！あれだけお客さんが入っていなかったのに、まだお金をかけるの？？と
私は自分の耳を疑いました。本当なのだろうか？と。
そして、この言葉を聞いた時、私が一部の先生方に常々思っている内容の言葉だった
ので驚きました。
先生方は、医学部を卒業し国家試験をパスした知力・体力ともにこの日本の最高水準
におられる方ですので、言葉使いや言動に本当に気を遣います。一度、メールの名前
を間違えたら、返信が無くなったり、言葉使いが失礼にあたったような時には関係を
切られたりもします。勿論、真逆なパターンで、とてもフランクに接してくれて、何
でも共有できる先生方もいらっしゃいます。それは、育った環境や、価値観による
ものですので、良し悪しではありませんが、接する方はとても気を遣います。
それで、近しい関係の先生でも、ある方向に進む際「一言でも聞いてくれたらな、」と
思うことがしばしばあります。何故なら、聞いて頂けないとお伝えできないからです。
もう数年前になりますが、ある病院の同じ科目の先生方が3人程一斉に退職し、民間の
大きな病院に纏めて転職することになりました。その大きな病院というのは、実はよく
存じ上げていて、大変な就業環境ということは多くの先生方の知るところで、だから
こそ常勤も居つかなかったのですが、その先生方は3人纏めて入職しました。私は思い
ました、果たしてあの環境でどこまで続くのであろうかと、、、、、
さて、予想違わず、入職して半年も待たずに、辞められてしまいました。
入職決断の前に、一言でも聞いて頂けていたら、ある程度のことは差し支えない程度
でお伝えできたのに、と思います。
お伝えしたくても、言えないことが沢山あります。また、お伝えしなくても、結果的
にうまく纏まることもありますので、一概には結論づけられませんが、必要な情報を
得るには、素直に聞いてみる、というのが一番効率的かも知れません。
私も、それを出来るだけ実行すべく、心情的には一番言いにくい、妻や子供に聞く
ようにしています。自分はこう思うけどどう思う？？パパはこういう考えでこれが
正しいと思って勧めているけどどう思う？？という感じです。
案外、ずばり本質的で当たっていることが多く、ああっ、聞いてみるものだな、、、
これまで黙って聞いてくれてたけど、こう思っていたんだな、、、（怖いな～）
色々発見しております。