“未来”
先週、関東の公的病院の麻酔科部長の先生とお話しする機会がありました。
50代半ば、気さくなお人柄から、話の内容は多岐にわたりましたが、日本
の医療事情の行く末の話は興味深いものがありました。
以下、その内容を箇条に致します。
・統計的に、10年~20年後、ドクターは余ってくる
・若い先生方は、20年後30年後、どんな医師になりたいか(理想)がない
ように見える
・若い先生方は「自分の人生だから辞めます~」とあっさり辞める
・辞めても医師免許があれば、幾らでも仕事があると思っている
・本当は、仕事が出来ないと、生活できなくなる(雇用されない)
・実際は、医師免許だけでは何にもならない、仕事が出来ない馘首される
・東京は、ママさん医師は大学に戻らなくても幾らでも就職先がある
・地方は、戻る以外に職場がない、選択肢が無いから戻って来る
・過去から学ぶことが大切だ。過去を調べれば、今やるべきことが分かる
・若手を厳しい状況に追い込んで、しっかり鍛えて行きたい
・自分の研究・学習は、臨床をしてから、やることをやってからにする
・組織で上に行きたいなら、下積みを通して、周りの合意を得る必要がある
・楽な仕事、報酬のいい仕事だけを選ぶ、というのは医師ではない
常日頃の営業活動から見えてくることは、新専門医制度の煽りもあり、
首都圏の非常勤バイト先(麻酔科)が極端に先細りになって来ていると
いうことです。それと同時に、医療機関がドクターを選別するように
なって来ました。「あの先生は、看護師に高圧的なので次からは紹介しない
で下さい」「あの先生は、麻酔記録を見るにリスク高いので、二度と紹介
して欲しくない」「あの先生は、いつもスマホをいじっていて外科から
クレームが入ったので終了して欲しい」こういう感じで、医療機関から
要請が入ります。
先の麻酔科部長が仰ったように、需給バランスが落ち着き、そして買い手
市場に移った時、本当の意味で仕事ができる医師でないと、医療機関から
の信頼を得られず、厳しい状況に置かれてしまうのかも知れません。
行く先を誠実に見据えれば、今どうすべきか?何を大事にするべきか?
自ずと理解できてくるのかも知れません。