Dプラス スタッフblog

「医師の生涯のパートナー」を目指します

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“母と娘”

   

昨日のお昼、会社近くの中華屋さんに入ってランチを注文した時、
フッと見上げたテレビに、金澤翔子さんが出演していた。かねてより、
この方は何かが違う、と感じていたのでテレビに釘付けになって
しまった。翔子さんはダウン症の書家32歳。

今回はその内容をお伝え致しますね。

母、泰子さん42歳の時、3回の流産の末に授かった宝物、その子が
ダウン症と聞いて、背筋が凍りつき、その場で崩れ落ちたそうです。

絶望に打ちひしがれて死を意識しながらの苦悩の日々、最初の転機
は翔子さん5歳の時、習字の師範だった泰子さんは、娘の友達作り
のために習字教室を開いて、翔子さんにも習字を教えることに。
翔子さんがはじめて筆を手にした時、ぴっと真っ直ぐに筆を持ち、
すうっと字を書いた、その姿を見て、可能性を、書家の血を感じた。

次の転機は、小学校4年の時、通っている学校から、障害者クラス
のある学校に転校するように告げられたのだ。その時、母は覚悟を
決めた。その日以来、学校に行かず、家に籠り、ただひたすらに
書を教えた。来る日も来る日も。そして、10歳の時に書き上げた
「般若心経」、この般若心経で、母と娘の心が一つになった。
そして、その時、書家、金澤翔子が誕生した。

その日々を回想する場面で「一枚を仕上げるのに本当に疲れ果てた、
私も疲れたけれども、翔子はその何倍も疲れていたはず。でも、
書き終えた後、翔子はミルクティーを入れて持って来てくれた。
拝みたくなるような優しい子でした。」と母は語った。

テレビの場面が変わって、銀座の個展会場。

車イスのおばあちゃんを見つけた翔子さん、迷わず近寄って行って、
自ら車イスを押しながら、おばあちゃんに書の説明をする。
「これは皆に楽しんでもらいたいという気持ちで書きました」
「これは元気になってもらいたいと思って書きました」
おばあちゃんはその素直な言動に感極まって、泣き出してしまいます。
すると、翔子さん、おばあちゃんの身体をさすりながら、
「泣かないで、泣かないで、スマイル、スマイル、泣かないで、、、」
と優しく何度も言うのです。なんと心の綺麗な人なのだろう、と
頭が真っ白になりました。自分には天使に見えました。

ダウン症の書家として、著名になった翔子さん、2015年に国連本部
の会合でスピーチをすることになりました。

その内容を記します。

(マイケルジャクソンのファンのようです。生きてるように話してます。)

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Nice to meet you

My name is Shoko Kanazawa

I love Michael Jackson

マイケルに会いに、ニューヨークに来ました

私は 書家 です

ビデオを観て下さい

<「翔子」ビデオ>

5歳から 書道を始めました

10歳の時 「般若心経」を書きました

これは 仏教のお経で 全部で276文字あります

何度も間違えて 何度も書きました

お母様が 教えてくれたので 

最後まで ちゃんと 書けました

お父様も 褒めてくれました

私が14歳の時 急な病気で 亡くなりました

私の 胸の中に います

「うまく書けますように」と

お父様に祈って 書いています

お母様と一緒に たくさん書きました

<ビデオ>

お母様へ

お母様の お腹の中に いる時に

出たい出たいと足で蹴ったのを 覚えていますか

痛かったかな

赤ちゃんの私を 産んでくれてありがとう

お母様が 大好きなので

お母様のところに 生まれて来ました

5歳から 書道を教えてくれて 有難う

お母様は 私にうまく書かせたいな と思って

だから うまく書けるように なりました

お料理も お掃除も お洗濯も

見て 自分で考えて 覚えました

お母様は「できるかな」って 見守ってくれました

今は 何でもできるようになりました

得意料理は カレーライスとハンバーグです

もうすぐ 30歳になります

30歳になったら 一人暮らしをします

一人暮らしなっても 家事をがんばります

一人になっても 寂しくないです

一人でも 大丈夫です

お母様も 泣かないで

お母様が 寂しくないように

夜になったら 私が月になって

お母様を照らして 声をかけますね

お母様も お仕事 頑張って下さい

将来は マイケルジャクソンと結婚したいです(会場:笑い)

赤ちゃん産んだら 里帰りします

お母様は おばあちゃんになります

お母様が 大好き 愛しています

愛してる ずっーと 愛してる

一人暮らし になっても 一緒に書きましょうね

そして 皆さんに 元気とハッピーと感動を

あげたいです

翔子

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翔子さんが「愛しています」と言った時、心臓が止まったかと思う程、
切実なものを感じました。こんな「愛しています」を、これまで一度も
聞いたことがありませんでした。

この番組を見て、はた、と思いました。

誰が、正常で、誰が障害者なのか?

誰が、人間らしく生きていて、誰が非人間的なのか?

少なくとも私には、翔子さんが、とてもとても尊い人に思えました。

 - コンサルタントR