Dプラス スタッフblog

「医師の生涯のパートナー」を目指します

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退院も突然に「医師の勘」

   

こんにちは!本日ブログを担当させていただきますスタッフCです!
上野のパンダちゃんに赤ちゃんが産まれましたね、
とってもかわいい映像に癒されますね〜。この時期に咲く紫陽花の花にも癒されます。
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さて今回は「退院も突然に」「医師の勘」のお話をさせていただきます。

2児目を妊娠中に入院して2週間たったとき転院しました。前回の記事はこちらから。
自分の住んでいる市ではベッドがあいていなくて隣りの市の周産期医療センターで
受け入れてくれるとのことで家から車で1時間離れた隣りの市の病院へ行く事になりました。
(熊本に里帰りしたときの病院より遠い距離です)
受け入れしてくれたのでてっきり、ベッドが空いているのかと思っていましたが
その夜はベッドが空いていなかったようで急遽オペ室にベッドを持ってきていただき、
一晩はオペ室で過ごすことになりました。正直不安で一睡もできませんでしたが。。。e0172699_21211766

入院して次の日からシャワーがOKとなりました。びっくりです。
2週間入院していた産院ではシャワーを浴びることはむろん、動くことすらNGなのだったので
シャワーを許されても自分に出来うることはしたいと思い、二日に1度にしてもらいました。
2週間打ちっぱなしだった点滴もお腹の張りがないことから1週間で外れました。
こちらの周産期医療センターでは薬で無理におさえることなしないという病院の方針だったようです。

入院1週間目で安静度が室内フリーとなり
入院2週間目には安静度が病棟フリーとなりました。
入院1ヶ月後には安静度が院内フリーとなりました。

病院ごとに(人それそれ)に症状に合わせて治療内容は違いましたが
私は「胎胞脱出」だったのでいいつ産まれてもおかしくない状態でしたが
毎日頸管長の長さは変わる事無く過ごすことが出来ました。

病棟フリーと言われてもベッドの上から動くことはほぼありませんでした。
(今まで点滴をされて動かないようにと言われていたのに病棟フリーと言われても怖い!)という意識だったのです。
ただ「話す」ことがストレス発散になると感じてからは病棟で出会う患者さんとの会話が楽しくて
一日の間の数分は食堂(フリースペース)にいき、患者さんと話すことが楽しかったです。

私たちの病気は出産が終われば「退院」できるのである程度終わりが見える入院でした。
ですので病気で長期入院を強いられている方が多くいるということを考えると
終わりが見える入院なので自然とおうちに帰りたいな、という意識は一ヶ月頃には消えておりました。

入院が2ヶ月にさしかかった32週のある日の夜に私はボスに呼ばれました。
(ボスとは産科病棟の医長の先生でわたしたち患者や看護師の方から陰ながら「ボス」と呼ばれていました)
その頃の治療法は1週間に1度の筋肉注射と毎日の膣内洗浄のみでした。

「あなた、とくに今何もしてないので34週で退院しましょう!」と。

「えええええええ!急ですね。急に退院と言われましても怖いんですけど。
でも自宅では安静にしていた方がいいですよね??」と聞いてみると

「いや、あなた今普通に院内のコンビニにも行ってるでしょ?(見られていたのか!!!!)
そんぐらい大丈夫だってこと!あなたの場合は破水と陣痛さえこなければ大丈夫」

と突然の退院宣告を言い渡されたのです。破水と陣痛はいつくるか分からないんですけどーーーー!
と、心の中でモヤモヤしながらそれはまるで学生が担任の先生に呼び出されて
ショボンとしながら教室に戻るような感覚で病室へ戻りました。

病室へ戻ると、まるで女子校のように患者さんみなカーテンをあけ
「ボスなんだって??」と聞かれました。
「退院していいんですって!でもせめて35週までいたいなぁ。
うちから遠いしもし何かあったら怖いよね」と話しましたら
この病院で3人目を産む先輩患者さんに
「ボスは話せば分かってくれるよ。もう一度いって話して頼んでみたら?」と助言いただき
あくる日、ボスが一人でいるタイミングを見計らいナースステーションへ突撃しました。

「あの先生、わたし、自宅も遠いし、何かあったら怖いので
せめて35週までいさせていただけないでしょうか?」と。

ボスは少し間を置いた後こういいました。

「あなた急患で運ばれてきましたよね?あなたのように急患で運ばれてくる患者さんを
一人でも多く受け入れるためにベッドをあけたいのよ。うちは断らない主義だから。
。。。。。。それに、あなた産まれないから!」
(だから私のことも受け入れしてくださり初日、オペ室しか空いてない状況だったんですね)

そう力強く言われまして返す言葉も見つかりませんでした。

そうです、自分はあの夜この病院に行け入れてもらえなければ自宅から更に遠い病院へ行く手はずでした。
それにこの病院にいたからこそ、まだお腹に赤ちゃんがいてくれてるのではないか。と。
前の日のようにショボンとした顔つきではなく、なぜかすっきりした顔つきで病室へ戻り眠りました。

こんなことがあって数日後、仲良くしていただいた女性の医師にボスに
「退院していいよ、産まれないから」と言われたとお話ししましたら
「うーん、不思議とね、経験で分かるのよ、医師の勘ってやつね」と笑って話して下さいました。

34週で退院して、ボスが言うように普通に生活していました。
無理なことはしませんでしたが子供の送迎や家事もしていました。
そして37週ちょうどの日に破水して、破水してからも陣痛が来ずに
結局、陣痛促進剤を使い37週と1日で出産を迎えたのです。
ボスの言う通りとなり、恐るべし「医師の勘」とお驚きました。

いままで培った経験からおっしゃってくださったこと、
疑ったことを恥じたいと思った出来事でした。
私も仕事面において培った経験から他者へ、助言できる粋まで達することができるようになりたいですね、
その粋に達するには相当な努力と経験が必要でしょうが。。。。。

改めましてG先生(ボス!)ボスの言う通り産まれませんでした!!
不安もありましたが安心した入院生活を送らせていただいた
母子周産期医療センターの先生方々、看護師、助産師の方々に感謝してもしきれません。

長い文章になってしまいました、お付き合いありがとうございました。

 - スタッフC